19/9/4 自転車はクルマと同じ!? 車道の真ん中を堂々と走る自転車は違反じゃない?
自転車は、いくつかの条件を満たしている場合を除き、車道を走らなければなりません。しかし、クルマと自転車では速度域が違うので、自転車に車道の真ん中を走られてしまうと通行の邪魔になることも。そういった場合、どのように避ければいいのでしょうか。
道路交通法では、自転車は軽車両
道路交通法で自転車は軽車両に分類されるため、基本的には車道を走らなくてはなりません。
しかし、自転車とクルマでは根本的な速度域が違うため、スムーズに追い抜けないタイミングなど、危険を感じる光景を多々見かけます。
混雑中の道路で、車道の真ん中を走る自転車に遭遇した場合、どのように対処をすればいいのでしょうか。
まず自転車は、以下の場合を除き、歩道を走ることはできません。
・道路標識等で指定された場合
・運転者が児童(6歳以上13歳未満)・幼児(6歳未満)の場合
・運転者が70歳以上の高齢者の場合
・運転者が一定程度の身体の障害を有する場合
・車道又は交通の状況から見て、やむを得ない場合
そのため公道を走行する時は、基本的に車道を走ることになるのですが、1車線道路では左端を通行しなければなりません。
自転車が道路の左端を走行していれば、クルマは徐行しながら追い抜けるのでとくに危険はないのですが、問題は道路に車両通行帯がある場合です。
2車線以上ある道路では、自転車は一番左側の車線(第一通行帯)を通行しなければならないと、道路交通法で決められてはいるのですが、1車線道路のように「左側端を通行しなければならない」決まりはありません。
複数の車線がある道路で第一通行帯の真ん中を自転車で堂々と走る行為は、違反ではないのです。
また、車速の違うクルマが後方から追いついてきたとしても、道を譲る義務はありません。
ではこのような場合、いったいどう対処すればいいのでしょうか。
警視庁の交通相談コーナー担当者は、次のように話します。
「多通行帯道路の場合、第一通行帯で前方の真ん中を走る自転車を追い越したい場合は、右側に車線変更をおこない通常のクルマを追い越す際と同様の手順で追い越します。
つまり、複数車線がある道路では軽車両である自転車も、扱いはクルマと同じです。
しかし、それができるかは道路の混雑状況にも左右されるので、車線変更が難しい場合は、自転車の速度に合わせてついていくしかありません。」
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一般道では法定速度ギリギリまで簡単に出すことができる自動車と、乗る人の体力や持久力に速度が大きく左右されてしまう自転車では、第一通行帯を一緒に走行するには少し無理があると感じる場面が多々見られます。
しかし、自転車を安全に追い抜くことができない場合は、クルマは自転車の速度に合わせて走行しなければいけないのが現状です。
自転車をどかせるために、車間距離を必要以上に詰めて圧力をかけたりクラクションを鳴らする行為は、危険なだけでなく、いま話題の「あおり運転」となりかねないので、どんな状況でもゆとりを持った運転を心がけましょう。
自転車はクルマと同じ!? 車道の真ん中を堂々と走る自転車は違反じゃない?設置例。自転車専用通行帯にも設けられるが、自転車専用通行帯の場合はそれを示す道路標識とセットになっている(画像:警視庁)