8ナンバーの税金
8ナンバーの条件とは?税金(自動車税)や車検期間について
パトカーや消防車など特殊な用途に使用される車には8ナンバーが用いられています。8ナンバーはキャンピングカーにも適用されるなど、意外と多くの車に8ナンバーが適用されています。
8ナンバー車は税金や車検にかかる費用が安いといわれますが、その真偽はどうなのでしょうか。
ここでは8ナンバーに関するさまざまな疑問を説明していきます。
8ナンバーとは?
8ナンバーを付けている車を「8ナンバー車」とも呼びます。警察車両や消防車をはじめ、意外と多くの車が8ナンバーに該当しますが、具体的にはどんな車があるのでしょうか。
8ナンバー車とはどんな車?
自動車は道路運送車両法と付随する通達により、乗用自動車、乗合自動車、貨物自動車、特種用途自動車、建設機械の5つに区分されています。
8ナンバーはこのうち特種用途自動車に用いられるナンバーで、特種用途自動車は8ナンバー車ともいわれています。
8ナンバー車は具体的に下記の車両に用いられています。
緊急自動車
警察車両、救急車、消防車、電力会社・ガス会社・水道会社などの緊急作業車、血液輸送車、移植用臓器輸送車、JAF車など。
特定事業車
給水車・採血車、郵便車、自動車教習車、移動図書館、霊柩車、放送中継車など。
運搬や医療介護、特殊作業、その他の使用目的のもの
現金輸送車、タンク車、ゴミ収集車、移動販売車、医療・介護用の寝台自動車、レッカー車、リフト車、など
キャンプや宣伝などの目的で使用するもの
放送宣伝車、キャンピングカー、キャンピングトレーラー
以上が8ナンバー車に該当します。
想像以上にさまざまな車に8ナンバーが適用されているのです。
8ナンバーの維持費はお得?
自動車には税金や保険料などの維持費がかかりますが、8ナンバーは他のナンバー車に比べ維持費が安いといいます。では、実際はどうなのでしょうか。
8ナンバーは自動車税が安い?
8ナンバー車であるキャンピングカーと自家用車の自動車税を比較してみましょう。
(例)総排気量が2リットル車で自動車税を比較
キャンピングカー 31,600円
自家用車 39,500円
差額 7,900円
キャンピングカーが2割安くなっていることがわかります。
総排気量によって設定される自動車税ですが、以下の表からも明らかなように、キャンピングカーは自家用車と比べて2割安くなっており、自動車税に関しては8ナンバー車は割安といえます。
総排気量 | 税額 | ||
---|---|---|---|
キャンピングカー | 自家用車 (エコカー減税適用前) |
差額 | |
1リットル以下 | 23,600円 | 29,500円 | 5,900円 |
1リットル超1.5リットル以下 | 27,600円 | 34,500円 | 6,900円 |
1.5リットル超、2リットル以下 | 31,600円 | 39,500円 | 7,900円 |
2リットル超、2.5リットル以下 | 36,000円 | 45,000円 | 9,000円 |
2.5リットル超、3リットル以下 | 40,800円 | 51,000円 | 10,200円 |
3リットル超、3.5リットル以下 | 46,400円 | 58,000円 | 11,600円 |
3.5リットル超、4リットル以下 | 53,200円 | 66,500円 | 13,300円 |
4リットル超、4.5リットル以下 | 61,200円 | 76,500円 | 15,300円 |
4.5リットル超、6リットル以下 | 70,400円 | 88,000円 | 17,600円 |
6リットル超 | 88,800円 | 111,000円 | 22,200円 |
車検期間、費用の違い
自家用車の場合、車検は新車購入時の場合は初回3年後、以後2年ごとと決まっています。対して8ナンバー車は新車・中古車を問わず2年ごとに車検を受ける必要があります。
また車検の費用に関しても自動車重量税と自賠責保険料金で違いがあります。
では、8ナンバー車と他のナンバー車の自動車重量税と自賠責保険料の比較を見てみましょう。
(例)新車登録13年未満の8ナンバー車と自家用車の自動車重量税の比較
総排気量2.5トンの8ナンバー車 24,600円
総排気量2.5トンの自家用車 41,000円
差額 16,400円
このように自動車重量税も8ナンバー車が安くなっています。
8ナンバー車と自家用車の自賠責保険料の比較
では自賠責保険料に関してはどうでしょうか。
(例)自賠責保険24ヵ月の保険料金の比較
・8ナンバー車
キャンピングカーなど三輪以上の自動車が30,210円
軽自動車が15,190円
・8ナンバー車以外
自家用車が25,830円
軽自動車が25,070円
軽自動車に関しては8ナンバーの方が低く設定してありますが、それ以外の自動車、つまり「その他三輪以上の自動車」ではむしろ保険料は高くなります。キャンピングカーなども「その他三輪以上の自動車」に」含まれます。
このように自賠責保険においては8ナンバー車が特に優遇されているとは言えません。
8ナンバー車は任意保険で不利?
一方、任意保険では、8ナンバー車は他のナンバー車に比べて不都合が多くなります。
保険会社によっては、キャンピングカーを含めて8ナンバー車の保険加入を認めていない会社もあります。
また、保険加入を認めている保険会社でも、キャンピングカーに限定していたり、車内の状況を確認するなど、制約を設けている会社もあります。
最近はダイレクト損保など簡単で手軽に任意保険に加入できるようになっていますが、こと8ナンバー車にとってはこうした恩恵は望めそうにないのが現状です。
8ナンバー車は維持費が安い?
これまで見てきたように、他ナンバー車に比べ8ナンバー車は、自動車税が比較的安く設定されており、車検時の費用に関しても自動車重量税、自賠責保険加入料が比較的安く設定されています。しかし、だからといって8ナンバー車は維持費が安いといえるでしょうか。
たとえば車検には自動車重量税や自賠責保険加入料といった法定費用の他に、点検整備料金や検査代もかかります。これは各車検会社によって異なり、特殊車両扱いとなる8ナンバーは割高な場合が多く、同じく修理代なども通常以上かかることが考えられます。
また購入費や日々のメンテナンス代などを考慮すると、8ナンバー車であろうと他ナンバー車であろうと、総合的に必要となる維持費に大きな違いはないといえます。