ネットのデマ信じ「上申書」で出頭拒否 速度超過容疑で男逮捕
持ち運びができる速度違反取り締まり装置=埼玉県警提供

 埼玉県蓮田市の県道で指定速度を38キロ超過して運転したとして、県警は21日、同県上尾市の会社員の男(34)を道路交通法違反(速度超過)容疑で逮捕した。県警は持ち運びできる可搬式の速度違反取り締まり装置を現場に設置し、速度超過を把握。再三出頭を求めたが、男はインターネット上で流通している「(同装置の)取り締まりを逃れることができる文書」を県警に郵送して出頭を拒否したため、逮捕に踏み切ったという。

 3年前に全国に先駆けて可搬式装置を導入した県警によると、同装置で逮捕につながったのは全国初という。

 逮捕容疑は4月5日午前1時15分ごろ、蓮田市黒浜の指定速度40キロの県道で、78キロの速度で普通車を運転したとしている。県警は4~7月、電話や郵送で男に出頭を要請したが、男は「(当時は)第三者に車を貸していた。名前は明かせない。警察の要請には協力できない」という趣旨の上申書を県警に郵送した。県警が出頭要請しても「書面の通りです」と拒み続けた。

 男は容疑を認め「ネットで見つけた文書を警察に送れば捕まらないと思った」と供述しているという。県警の担当者は「こうした書類で取り締まりを逃れることはできない」と話している。

 現場の県道では事故が多発しており、県警は可搬式装置で取り締まりをしていた。【中川友希】